比較対象
2017年~2020年9月4日までの日経平均VI指数と日経平均
日々終値ベース
日経平均は30日の偏差を年率換算(365日)

 

平均 日経平均VI指数 19.7 日経平均 20.03
日経平均VI指数が日経平均のボラを上回っている確率 52.47% 平均+0.26%

 

もっとも日経平均VI指数は今後30日の予測ボラティリティであり、日経平均のボラは直近30日の過去のボラティリティとなる。いわば日経平均VI指数は前倒しの日経平均ボラとも言えるが、どれくらい正確に日経平均のボラを予測しているのか見るために30日後の日経平均のボラを比較してみる。

VI指数が実現ボラを上回った割合は60.2%だが、平均の率をみると-1.7%程度になる。
チャートを見ると、相場が安定している時は概ねVI指数が実現ボラを上回っているが、実現ボラが高くなる不安定相場の時はそれを予測できていない。
そもそもVI指数は要するにIVであるが、IVは予測ボラティリティとも言われる。しかし、実際に取引をするのはリアルタイムである現在である。とするといくら30日後のボラティリティと言っても今の相場の状況が直接的に影響する。従って相場が安定している時はともかくとして30日後に相場が急落するなどということが予測できるはずもない。
とは言え、デルタヘッジ戦略などでSQまで持ち越す場合はやはりIVと実現ボラティリティのギャップは重要である。
予測できていないとして、修正前の比較よりも修正後のほうがVI指数が上回った割合が多いので、VI指数は30日後の予測より現在の相場の影響をより強く受けていることが分かる。

修正前はコロナショック時でさえ、VI指数が日経ボラを上回った率で最大なのは40%ほど。逆に下回ったのは最大で-80%ほど。つまり日経ボラのほうがVI指数を80%上回っていたということになる。確かにVI指数は30日後のボラを予測するものであり、必ずしも現在のボラを反映するものではない。
しかし、では実際に30日後の予測ができているかと言えばそうではない。

 

オプションには満期があるから、満期までの実際の日経平均のボラティリティが正確に予測できれば現在のIVがそれより高ければそれを売り、日経平均先物でヘッジすることによりデルタヘッジ戦略で利益が出ることなる。
IVが実現されるボラティリティより安ければそれを買い、先物でヘッジする。
逆にIVが正確に実現ボラティリティを予測していればデルタヘッジ戦略で利益が出ない。
これがブラックショールズの基本である。
日経平均VI指数は期近と期先のオプションを使って残存期間30日補正している。
残存期間が1週間のオプションと残存期間37日のオプションであれば通常IVは違ってきて当然であるし、実現ボラも違ってきて当たり前である。

では、IVが高いとか低いとか言うのは一体何を基準すればいいのか。本来であれば日経平均のボラティリティから判断すべきだが、将来のボラティリティを正確に判断するのは難しいだろう。
従ってやはり直近の日経平均のボラを参考にするというのがベターな方法になる。その意味でIVは現在の日経平均の影響を受けるということになるが、ではVI指数は必ずしもそうはなっていないようである。
特に相場が荒れている時はそれが顕著である。
実際、日経平均VI指数の算出方法からその指数としての信ぴょう性に疑問が呈されている。

 

日経平均VI指数と日経平均のボラティリティから何らかの統計的知見が得られるかと期待したが、サンプル数が少ないこともあって今のところ成果はなかったようである。